☆ 創 論 ☆
〜 ベーシックインカムとは何か 〜
2025.08.14更新

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〇「ベーシックインカム」とは、何か。

 「ベーシックインカム」とは、国家が、国民および居住者に給付する給付金である。
 その給付の期間は、基本的に、国民の誕生から始まり、その死によって終わる。

 私の考える「ベーシックインカム」とは、国家が居住者に給付する「生存報酬」であり、最低限度の「生存保証」である。

 国家は、居住者、国民が生存していなければ、成り立たないのであるから、居住者、国民が生存しているだけで、それは、国家が報酬を渡すに値することだと考えるからである。
 その報酬が、通貨で給付されるのは、現代が通貨経済社会だからである。奈良や平安時代なら、土地を貸与するという形で生存を保証するということが国家によって行われた。しかし、現代では、通貨経済であり、人口がはるかに多いので、全国土を国家所有とし、耕作地の貸与をするということは事実上不可能になっている。
 現代においては、国家は、支配域に居住する人々に対して、国家の成立要素として、まず生存しているというだけで、「生存報酬」として、通貨を給付するのが、妥当なことであると考える。
 そして、それは、最低限ではあるだろうが、居住者の「生存保証」の意味合いを持つ。居住者、国民が、給付された、いくばくかの給付金をいかに使うか。それは、自由市場経済の中で、一人ひとりの自由に任されることになるが、その給付金は、最低限ではあっても、さらなる生存をある程度は保証する機能を果たすことになるからである。

 そのようにして、通貨の「給付」があれば、通貨の循環とその流動量の調節のための「回収」がある。

 「回収」は、税や各種社会保険の保険料などで国家が関与する機構が行っている回収制度が、すでにでき上がっている。
 まだ、でき上がっていないのが、ベーシックインカム、基礎給付金という、当然国家が行うべき、生存し国家を構成してくれていることへの報酬、「生存報酬」としての「給付」、最低限の「生存保障」としての「給付」、という給付金制度、ベーシックインカム、基礎給付金である。

 通貨の「給付」と「回収」があって、永続的に運営される通貨経済社会は確立され、また、通貨の流動量は管理されることになる。

 国家は、領域内の居住者に対し、生存保障の義務を負う。それが、国家の存在意義の第一である。


 ベーシックインカム、基礎給付金の給付は、日本銀行に個人用の基礎給付金発行口座を開設して行われるものとする。そうすることによって、基礎給付金は、日本銀行の通貨発行業務のひとつとなり、政府の事業ではないことになり、従って、国家予算に組み入れる必要がなく、財源も必要がないことになる。発行であるから、発行を受けるのは、市中銀行の個人口座に受け取りを設定することによって、受け取るものとする。受け取らない場合でも、発行口座に累積することはなく、ひと月当たりの発行設定額が、毎月、更新されるものとする。発行であるから、日銀から市中銀行の口座に発行されて初めて通貨の発行がされることになり、その時点までは、財産とは看做されない。
 基礎給付金の発行は、マイナンバーと共に存在することになる。
 基礎給付金発行口座は、個人のマイナンバーの設定と共に開設され、その死と共に閉設される。


 ベーシックインカム、基礎給付金は、日銀の発行で賄う。よって、毎年の予算措置は必要ない。

 だが、基礎給付金を通貨の循環の中での供給で考えるならば、一方的に発行だけで賄うことになる日銀の発行だけで行うのは適当でないとなる。通貨発行量の調節の観点を加えるならば、毎年の予算の中で、基礎給付金は用意すべきとなる。そうすれば、通貨の発行は、歳出の内、税収で賄えない分だけとなることで、通貨量が、新規発行による基礎給付金によって一方的に増加することはないことになる。

 税による通貨の循環の中で、国内の通貨量を勘案して、基礎給付金を給付する必要があることで、日銀が個人向けに基礎給付金発行口座を用意することは不適当だとなる。

 だが、基礎給付金を毎年の予算策定の中に位置づけると、その金額なり、取り扱いなりの継続性、安定性なりに不確実性が生じることになる。通貨の循環の中に位置づけられることが、日銀の発行による基礎給付金の発行でも確保されなくはないのは、税で調節される分が通貨量全体の中にあるのは確実であるから、日銀による基礎給付金の給付であっても、全体としては、通貨の循環の中にあることになるから、それ自体で不適切とはならないと考えられる。さらに、毎年の政府策定の予算、歳出額から切り離すことが、基礎給付金の安定継続性を高めると考えられるので、やはり、日銀による発行で賄うのが最適であると考える。




新しい思考の展開



人間の基本の考察
1 人権とは何か
2 少年性と少女性



〜 断 章 〜



〜 随 想 〜




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